• Coto

コーヒーのお点前

コーヒーを世界一消費する国といえばフィンランドである。

そのフィンランド大使が大使館を訪れた女優さんにコーヒーを振る舞う

というシーンを偶然テレビで見たのだが、驚いたことにその大使ときたら

コーヒー豆が入ったフィルターに電気ケトルのお湯を直接注いでるではないか。

それはもう豪快にドバーッと。

豆の上でのの字を書くようにとか、お湯は細く静かにとか、そんなことはお構いなし。

ドバーッと注いで暫く待って、ドバーッと注いで暫く待って、

ドバーッピタッ、ドバーッピタッの繰り返しなのである。

なんて適当な。なんて雑な。

コーヒーなんて水みたいなもの、とでも言わんばかりの愛ある無関心。

でも肩肘張らないその気楽さが、いかにも日常に馴染んでいてとても魅力的だった。

一方、お茶の国 日本では、第何次コーヒーブームというのが定期的に来る。

コーヒーをたくさん飲むようになった第一次コーヒーブーム、

スタバ等シアトル系やお洒落カフェのエスプレッソ飲料が流行った第二次コーヒーブーム、

そして記憶に新しいのはブルーボトル系のサードウェーブ。

その第三次ブームでドリップコーヒーにハマったコーヒーが飲めない友人は、

律儀にもコーヒーの学校に通って正しいドリップコーヒーの淹れ方を習得し、

今やお店でお客さんに振る舞えるほどの腕前なのだが、

週末の度にどこぞのロースタリーのオリジナルやらシングルオリジンやらを買い求め

それはもう丁寧にコーヒーを楽しんでいる。ものすごい熱意である。

きっと彼にとってのコーヒーは茶道に通じるお作法の世界なんじゃないかと思う。

日常というより、非日常、ちょっと特別で丁寧な暮らし、みたいな。

対するフィンランド大使のコーヒーは、きっと実家の食卓にどーんとおいてある

大きな急須のお茶(お湯入れっぱなし)みたいな感覚なんじゃないだろうか。

飾らない日常、ちょっと怠惰で愛着があって。

どちらもコーヒーを飲むその時間ホッとできるのは変わらないだろう。

なんて、そろそろ切れるコーヒー豆をセールに負けてうっかり400gも買ってしまった

ズボラな私は専らコーヒーメーカー派です。


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